20100126
ボクは8階に住んでいる。
となりには数年前からおじいさんが独りで住んでいる。
ボクは、そのおじいさんがボケていると思っている。
フロアで大声でわめいたり、夜中に他の部屋のドアをドンドン叩いたりした事が、今まで何度かあるからだ。
ただ、時間は短いものの、毎日ある程度決まった時刻に出掛けているようで、もしかしたら簡単な仕事をしているのかもしれない、とも思っている。
明日は燃えるゴミの日なので、帰宅したボクはスーツ姿のまま、すぐにゴミ袋を持ってエレベータでまた1階まで戻った。
1階についてエレベータのドアが開くと、目の前におじいさんが立っていた。
となりのおじいさんである。
普段はお決まりの帽子をかぶっているのだが、今日は帽子をかぶっていなかったので、一瞬誰だかわからなかった。
一方的ではあるが少し気まずい気持ちになり、ボクは軽く会釈をしてゴミ袋を持ったままおじいさんの横を通り抜けようとした時、
そのおじいさんは言った。
「上に戻りますか?」
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